父滅の刃 消えた父親はどこへ アニメ映画の心理分析 著者 樺沢紫苑先生 読書感想


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400ページに及ぶ映画やアニメの分析。

こんなわかり易い解説は見たことない。

また見たことない映画も背景が浮かんでくる。しかもネタバレ要素が少ない。

時代と社会についても触れられていた。

 

時代の背景に併せて映画も変わっていく。

 

P162参照 アメリカ映画の歴史

当たり前の父性→西部劇全盛

父性の敗北→スターウォーズ

父親探しの時代→フライトナイト

父性損失の時代→アメイジングスパイダーマン

社会の男が強い時から男女平等→女性が強い時代へ変化

 

 

父性とは何か?母性とはなにか?

 

父性

厳しさ、厳格、、強さ、たくましさ、緊張、叱る、切断する、社会の秩序や約束事の世界

変化、批判的、外部に開かれている、ルール規範を教える。

 

母性

寛容、寛大さ、優しさ、温かさ、リラックス、癒し、愛、安定、教育的、内部に閉じている

 

必ずしも父親が父性ではなく、父性と母性を両方兼ね備えることができる。

それを目指したい。

 

Bad Father 問題のある父親

強すぎる父親

弱い父親

普通の父親

 普通でもダメ

 

Goog Father 良き父親の4条件とは

1、規範を示している

2、尊敬、信頼されている

3、「凄い」「そうなりたい」と思われている。

4、ビジョン、理念を示している。

 

本の感想

自分の父親は単身赴任で中学生の時から自宅にはおらずまた小学生の時も夜遅くに帰宅し朝早く出社していた。

今思うと母親一人で子供を育てたといっても過言ではない。

しかし、小さいことに一緒にマラソンした思い出や旅行のプランニングを考えると父親も時には父性を出していたのだろう。決断力、自分で考える力、行動力が父親にはあった。社会では重要。

自分が父親になってみて父親は何もしなくて良いと思っていたが夫婦で助け合っていくことを覚えた。今は女性も働く時代なので家庭を守るのも父親の勤め。母性、父性も割り切れるものではなく夫婦がお互い母性、父性の役割を補完しあえば良いと考えた。

 

子供がなりたい、尊敬したい人物で在りつつけることが重要だと思えた。

 

時代は父性が無くなりつつあるが父性を持って子供を社会に送り出せるよう今のうちから家庭でできることを少しづつ進めたい。

会社ではいい仕事をしていても家で優しい父親では本書の普通の父親=Bad Father(問題のある父親)なので叱るときは叱ると規律も学ばせないといけないと感じた。

但し怒ってばかりでは自分で考える力を奪ってしまうのでバランスが重要。

これからの時代自分で考えて解決していく力が必要になる。

本書で取り上げている映画やアニメは膨大だが少しずつ見ていきたい。

またすでに見た物も見返すことによりより本書の内容が鮮明になるだだろう。